相続した実家が「特定空家」に?空家等対策特別措置法の条件と、損しないための早期売却完全ガイド
あなたの実家は大丈夫?増え続ける「空家問題」は他人事ではない
親御様から大切なご実家を相続されたものの、ご自身やご家族が住む予定はなく、そのままになっている…。そんな状況にある方は、決して少なくありません。
総務省の調査によると、日本全国の空家は増加の一途をたどり、今や社会問題となっています。そして、この問題は「遠いどこかの話」ではなく、あなたが相続したその家にも、大きなリスクをもたらす可能性があるのです。
「管理が面倒だけど、とりあえず置いておこう」
「いつか何かに使えるかもしれないし…」
もし、あなたがそう考えているなら、少しだけ立ち止まってこの記事を読んでみてください。放置された空家には、「空家等対策特別措置法」という法律が大きく関わってきます。最悪の場合、固定資産税が6倍に跳ね上がったり、罰金が科されたりする可能性もゼロではありません。
この記事では、親からの相続財産である「空家」をお持ちのあなたへ、以下の点を分かりやすく解説します。
* 「空家等対策の推進に関する特別措置法」とは何か?
* 放置すると具体的にどんなリスクがあるのか?
* なぜ「早期売却」が賢い選択なのか?
大切な資産を守り、将来の不安を解消するために。ぜひ最後までお付き合いください。
そもそも「空家等対策特別措置法」とは?基本をわかりやすく解説
「空家等対策特別措置法」(正式名称:空家等対策の推進に関する特別措置法)という言葉、ニュースなどで耳にしたことがあるかもしれませんね。まずは、この法律がどのようなものなのか、基本から押さえておきましょう。
法律ができた背景:なぜ今、空家が問題なのか
少子高齢化や核家族化が進む現代の日本では、親が住んでいた家を相続しても、子どもはすでに別の場所にマイホームを持っているケースが非常に増えています。その結果、誰も住まない、使われない家が全国に急増しました。
放置された空家は、
* 景観を損なう
* 不法投棄や放火の温床になる
* 害虫や害獣が発生する
* 老朽化による倒壊の危険がある
など、周辺の住環境にさまざまな悪影響を及ぼします。こうした問題に対応するため、2015年に「空家等対策の推進に関する特別措置法」が施行されました。
法律の目的:安全な街づくりと空家の活用促進
この法律の目的は、大きく分けて2つです。
- 周辺環境に悪影響を及ぼす空家を減らし、国民の生命、身体、財産を保護すること
- 空家とその跡地の活用を促進し、地域活性化につなげること
つまり、危険な空家は行政が指導しやすくし、一方で活用できる空家は市場に流通させやすくするためのルールなのです。
2023年の法改正で何が変わった?「管理不全空家」の新設
2023年12月にはこの法律が改正され、さらに厳しい内容になりました。注目すべきは「管理不全空家」というカテゴリーが新設されたことです。
これは、そのまま放置すれば後述する「特定空家」になるおそれがある状態の空家を指します。この「管理不全空家」に指定されただけでも、固定資産税の優遇措置が解除されることになりました。つまり、国や自治体は、より早い段階で空家の所有者に適切な管理を求めているのです。
【最重要】「特定空家」に指定されるとどうなる?4つのデメリット
この法律で最も注意すべきなのが「特定空家」への指定です。管理が不十分で、周辺環境に著しい悪影響を及ぼしていると判断された空家が指定されます。では、具体的にどのようなデメリットがあるのでしょうか。
デメリット1:行政からの「助言・指導・勧告・命令」
まず、市町村から空家の状態を改善するように「助言」や「指導」が入ります。これに従わない場合、より強制力のある「勧告」が出されます。この「勧告」が出された時点で、次のデメリットが発生します。
デメリット2:固定資産税の優遇措置が解除!税金が最大6倍に
これが最大の金銭的リスクです。通常、住宅が建っている土地には「住宅用地の特例」が適用され、固定資産税が大幅に減額されています(課税標準額が最大で1/6に)。
しかし、「特定空家」として「勧告」を受けると、この特例が適用されなくなります。その結果、土地にかかる固定資産税が最大で6倍にまで膨れ上がる可能性があるのです。年間10万円だった税金が60万円になる、と考えると、そのインパクトの大きさがお分かりいただけるでしょう。
デメリット3:最大50万円の過料(罰金)
「勧告」に従わず、さらに行政からの「命令」にも違反した場合、50万円以下の過料(行政上の罰金)が科されることがあります。空家を放置しているだけで、思わぬ出費が発生してしまうのです。
デメリット4:最終手段「行政代執行」とその費用請求
命令にも従わず、いよいよ危険が差し迫っていると判断された場合、最終手段として行政が所有者に代わって建物の解体などを行います。これを「行政代執行」と呼びます。
もちろん、これはボランティアではありません。解体にかかった費用(数百万円にのぼることも珍しくありません)は、後日すべて所有者に請求されます。
うちの家は大丈夫?「特定空家」に指定される4つの条件
では、どのような状態だと「特定空家」に指定されてしまうのでしょうか。法律では、以下の4つの基準が定められています。ご自身の空家が当てはまらないか、チェックしてみてください。
1. 倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
* 屋根や外壁が崩れ落ちそうになっている
* 基礎に大きな亀裂が入っている
* 柱が傾いている
2. 著しく衛生上有害となるおそれのある状態
* ゴミが散乱し、悪臭や害虫(ハエ、ゴキブリ、ネズミなど)が発生している
* 浄化槽やトイレが破損し、汚物が流出している
3. 適切な管理が行われないことにより著しく景観を損なっている状態
* 大量の雑草が生い茂り、道路や隣地にはみ出している
* 窓ガラスが割れたまま放置されている
* 外壁が落書きだらけになっている
4. その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態
* 動物(野良猫など)が住み着き、糞尿による被害が出ている
* 立木が繁茂し、隣の家の日当たりを妨げたり、枝が越境したりしている
* 不審者の侵入が容易な状態になっている
これらの状態を一つでも満たすと、「特定空家」に指定される可能性があります。定期的な管理が難しい遠隔地にある場合などは、特に注意が必要です。
なぜ「早期売却」が最善の選択なのか?3つの大きなメリット
ここまで空家を放置するリスクについて解説してきましたが、不安に感じられた方も多いかもしれません。しかし、ご安心ください。これらのリスクを回避し、かつ資産を有効活用する最善の方法があります。それが「早期売却」です。
なぜ早期売却がおすすめなのか、3つの大きなメリットをご紹介します。
メリット1:空家等対策の推進に関する特別措置法のリスクを根本から回避できる
最もシンプルかつ強力なメリットです。売却して所有者でなくなれば、当然ながら「特定空家」に指定される心配はありません。固定資産税の増額や行政からの指導といった、あらゆるリスクから解放されます。問題が大きくなる前に根本から解決できるのが、売却の最大の強みです。
メリット2:維持管理コスト(固定資産税、修繕費、保険料)から解放される
空家は、持っているだけでお金がかかります。
* 固定資産税・都市計画税
* 建物の修繕費、庭の草刈り費用
* 火災保険料
* 水道光熱費(基本料金)
これらの費用は、年間で数十万円にのぼることも少なくありません。早期に売却すれば、これらの継続的な支出をすべてなくし、むしろ売却代金というプラスの資産を手にすることができます。
メリット3:【節税効果も】「空家の譲渡所得3,000万円特別控除」が使える可能性
これはぜひ知っておいていただきたい制度です。相続した空家を売却して利益(譲渡所得)が出た場合、一定の要件を満たせば、利益から最大3,000万円を控除できる特例があります。
この特例を使えれば、売却にかかる税金を大幅に抑えることが可能です。ただし、適用には「相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで」といった期限や、建物の耐震基準などの条件があります。専門的な内容も含まれるため、この制度が使えるかどうかは、売却を相談する不動産会社に必ず確認しましょう。早期に動くことで、こうした有利な制度を活用できる可能性も高まります。
相続した空家を売却するまでの5つのステップ
「売却が良いのはわかったけど、何から手をつければいいの?」という方のために、基本的な流れを5つのステップでご紹介します。
ステップ1:相続登記を完了させる
不動産を売却するには、まず家の名義を被相続人(亡くなった親など)から相続人であるあなたへ変更する「相続登記」が必要です。これは法務局で行う手続きで、司法書士に依頼するのが一般的です。
ステップ2:不動産会社に査定を依頼する
家の価値がいくらくらいなのかを知るために、不動産会社に査定を依頼します。複数の会社に依頼(相見積もり)して、査定額や担当者の対応を比較検討するのがおすすめです。
ステップ3:媒介契約を結ぶ
査定結果や販売戦略に納得できたら、売却活動を正式に依頼する不動産会社を1社選び、「媒介契約」を結びます。契約には3つの種類(専属専任、専任、一般)があり、それぞれの特徴を不動産会社からしっかり説明してもらいましょう。
ステップ4:売却活動を開始する
不動産会社が、インターネット広告やチラシなどを通じて購入希望者を探します。内覧(家の見学)の希望が入れば、立ち会いなどの対応をします。
ステップ5:売買契約・決済・引き渡し
購入希望者が見つかり、価格などの条件がまとまったら「売買契約」を締結します。その後、金融機関などで代金の受け取り(決済)と所有権の移転登記を行い、買主に鍵を渡して(引き渡し)、すべての手続きが完了です。
まとめ:先延ばしは百害あって一利なし。今すぐ行動を起こそう
今回は、親から相続した空家と「空家等対策の推進に関する特別措置法」について解説しました。
* 空家を放置すると「特定空家」に指定され、固定資産税が最大6倍になるリスクがある。
* 建物の破損や衛生状態の悪化は、指定の対象となりやすい。
* 早期売却は、法的なリスクを回避し、維持管理コストからも解放される最善策。
大切なご実家だからこそ、どうすべきか悩むお気持ちは非常によくわかります。しかし、問題を先延ばしにしても、状況が好転することはほとんどありません。むしろ、時間が経つほど建物の価値は下がり、リスクは高まっていきます。
もしあなたが相続した空家のことで少しでも不安を感じているなら、まずは「第一歩」を踏み出してみませんか?
その第一歩とは、不動産のプロに相談してみることです。多くの不動産会社では無料で査定や相談に応じてくれます。ご自身の空家が今どのくらいの価値があるのか、どんな売却方法が考えられるのかを知るだけでも、今後の見通しが大きく変わるはずです。
この記事が、あなたの不安を解消し、次の一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。
――ご質問や「うちのケースは?」といった相談は売却査定フォームへ!





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